結論から言うと、タール便を伴う患者で血液検査の値が高値になることがある指標は、主に尿素窒素（BUN）です。なお、臨床状況によっては他の項目の変動も見られることがあります。 背景と要点
- タール便は上部消化管出血のサインとして頻繁に現れ、胃酸中でヘモグロビンが分解・酸化して黒色化する現象を指します。この出血があると、血液成分の代謝産物が体内へ取り込まれ、血液検査に影響を及ぼします。
- 上部消化管出血が生じると、窒素代謝関連の指標として尿素窒素（BUN）が上昇しやすいとされます。これが選択肢の中で高値となる代表的な項目です。
- 他の選択肢については解釈が分かれることがありますが、一般には以下のように整理されます：
- LD（乳酸脱水素酵素）および ALP（アルカリ性ホスファターゼ）は臓器特異的指標としては限定的で、単独で上部出血の有無を特定する指標ではありません。
* アルブミンは栄養状態や慢性疾患の指標ですが、タール便に直接特異的とは言えません。
* クレアチニンは腎機能の指標であり、出血性イベントの直接的な指標とは通常考えにくいです。
結論の要点（短く）
- タール便の患者で血液検査項目が高値を示すことがある代表は「尿素窒素（BUN）」です。その他の項目は状況次第で変動するものの、単独で特異的とは言い難いです。
補足
- 実務ではタール便が確認された場合、貧血の有無（ヘモグロビン・ヘマトクリット）、鉄代謝関連（フェリチン、鉄）、出血の原因所在の特定（内視鏡検査）と合わせて、BUNを含む腎機能・炎症マーカーなどを総合的に評価します。
もし可能なら、実際の検査データの選択肢リスト（例：LD、ALP、尿素窒素、アルブミン、クレアチニン）を教えてください。そうすれば、教科書的解説を踏まえつつ、個別の症例文脈に合わせてどの項目が高値になりやすいかをより詳しく解説できます。
