核心の回答
- 主観的情報とは、患者本人が感じたり訴えたりする「主観的な体験」や感覚に関する情報を指します。これは患者の言葉や自己申告として記録され、痛みの感じ方、不安、生活への影響、症状の発現時間帯など、本人の視点から得られる情報です。
詳しい説明と例
- 定義と位置づけ
- 主観的情報は、看護記録のSデータ（Subjective data）として位置づけられ、客観的情報（Oデータ）と対を成します。Sデータは患者や利用者の語る内容をそのまま記録するもので、ケアの意思決定や個別化計画の出発点となります。
- 看護実践での役割
- 痛みの程度、発生の時間、気分・不安・ストレスの程度、生活習慣の変化に関する患者の訴えなどが主観的情報に該当します。これらは客観的測定値だけでは捉えきれない日常生活への影響を理解する鍵となり、ケアプラン作成や評価に不可欠です。
- 実務上の区別
- 例えば「腹部が痛いという患者の訴え」は主観的情報です。一方、「血圧126/72mmHg」という測定値や「ドレーン刺入部の発赤」という観察結果は客観的情報です。国家試験の問題でも、主観的情報は言葉で表現された患者の訴えとして扱われます。
- 医療現場での記録方法の一例
- SOAP記録法ではSが主観的情報（患者の訴え・自覚症状）を示し、Oが客観的情報（観察・検査値）を示すとされます。SとOを適切に分けて記録することが、正確なアセスメントと適切なケアの基盤になります。
補足ポイント
- 主観的情報は、個々の患者の価値観・信念・文化的背景なども含み得る「深い理解の鍵」として位置づけられます。そのため、ケア計画の策定・評価・調整の過程で、患者の声を中心に据えることが推奨されます。
- 学習・試験対策の解説では、腹部の痛みの訴えのような直接的な表現が主観的情報として正解になることが多いです。反対に、測定値や観察結果は客観的情報として扱われます。
結論
- 主観的情報は、患者自身が言語化する自覚症状・感情・生活への影響など、本人の視点から得られる情報を指します。看護実践ではSデータとして記録され、患者の訴えを正確に理解することがケアの質を左右します。
